THE HOKKAIDO FES


 
知勇を備えしものたちが魂で火花を生んだ戦いがあった。
2015 1128-1129<<全日本最強決定戦・秋>>
DimensionZeroとFixerSが発生させた最初の動乱を収め征服したのは一人の男だった。
磨き上げた己の半身<デッキ>とともに駆け抜けた戦場において、彼が立っていた最後の一人だった。
その戦いを見ていたものも、その男と共に戦ったものも、その男とぶつかり合ったものも、その勝利を祝福した。
 
時間は流れ……
2016 0227-0228<<第9回北海道最強決定戦>>
戦いは布告された。
最強たるものへ挑戦状が射られた。
当代無双を誇るのならば北へ来られたし打たれた文言に足を北へと向ける。
各地では情報に聡いものたちがそれを知り、或いはそれに構わず北へと視線を注いでいた。

北方の蛮地。
そこは最強の手で歴史の中に屠られるはずだった強者たちが、歴史の一頁になることを拒むように至強へ到らんとしている。
討ち破られたとて、戦い足りぬと吠え猛るように。
討ち滅ぼされたが故に、それを返上するために論理と摂理を捻じ曲げて。
苦い敗北を糧として、冥府から舞い戻る。
 
西では勝ち足りぬと魔王が戦乱を求めて。
東では求めた戦いを得られなかった風流人が求めたる戦いを慈しむために。
 
「お前は〝それ〟を持っていくんだな」
「浮気はしない性質だからさ。オレはこの子が持つ〝暴力性〟を信じてる。オレが吐き出したい無慈悲で無遠慮で、無道と嗤われても勝ちに執着できるこの子をね」
当代無双が生み出した時代の兇器『筑波ターボ』を見やる。
「で、君こそどうするのさ?雪辱戦かい」
「いいや、あいつは十分に戦ったさ……獣の時代が来るさ、これからはな」
『あぎぃぃる』――動物の咆哮が聞こえた気がする。
いや、幻聴ではあるまい。
その場に居て言葉を発さぬ男は神たる竜の広い知覚範囲で確かに聞いた。
「やれやれ、剣呑な雄叫びだ」
それは男と呼ぶにはあまりにも慈悲深い姿であった。
それは雄と呼ぶにはあまりにも思慮深い眼差しであった。
それは人と呼ぶにはあまりにもゴリラであった。
「戦意は結構、だが船頭が荒ぶれば船も揺れるだろうに……少しは落ち着きというものをだな――」
「多少揺れるほうがスリリングってもんだろ」
若さを隠すことのない青年がゴリラに笑いかける。
やれやれ、若いものはと言いかけ小言は喉奥に収めておくことにした。
「蛮地での目標はただ一つ」
獣を飼いならす小覇王は共連れる戦鬼に向き直る。
「〝勝ち残れ〟」
暴の申し子は何を今更と、竜の信奉者は改めて頷き、
慈悲と思慮の男は視線を逸らさず、若き戦術家は熱された魂を隠すことなく
それぞれは同意するようにトランクを掴む。
 
西では歴戦の用兵家が葉巻の煙を吐き出しながら笑う。勝利という名の好物を食い散らかすことを思い。
東では星と神話との対話を済ませた召喚者が己が戦端の儀式の如く手足たる、武装たる、輩たる使役者に触れる。
 
指をぱちんと鳴らすのは異国の地を名前とする男。
「カムイさンよ、そろそろお出迎えの時間だぜ」
カムイと呼ばれた男は椅子からゆるりと降りると眼下に見下ろすことができる己が支配せし蛮地を見やる。
あちらこちらで戦いを求めるものがどこかへと向かっている。
「次こそ牙は届くかね」
前回のカムイを決める戦いのことか、或いはまた違う戦いのことなのか。
相手のことなのか、己のことなのか。
数多の意味を含めた言葉に、指を鳴らした男は呵々大笑する。
「届いてほしいンなら、試すしかねーの解ってンだろ?」
複雑さを排除した理屈にカムイは釣られて笑い、出入り口へと向かう。
言葉にするまでもない、それよりも頑強で雄弁な意思交換のツールはその手に握られている。
 
 
2016 0227-0228<<第9回北海道最強決定戦>>
 
戦いは布告された。
 
参戦規定はただ一つ。
 
〝D0erであれ〟
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※デッキの示唆などは2015全日本最強決定戦・秋のデッキレシピを参考にしており、今回の使用するものに関わるものではござません。